「わける」ことは「わかる」こと ~子どもの情報の捉え方

先日4歳娘が、

「パパ、お買い物する時、丸いお金と“人の顔”と“鳥”が書いてあるお金があるんだよね!」

と聞いてきました。

丸いお金は硬貨のことで、人の顔ってのが何のことか一瞬わからなかったのですが、一万円札のことだと気づきました。

「お札」、「一万円札」または「紙幣」という言葉を身につけてない娘は、一万円札の特長を捉えて、私に一万円札のことを伝えたかったようです。

これが私には大変興味深く感じられました。

どうして、丸いお金と紙のお金と言わなかったのか?

あるいは、硬いお金と紙のお金と言わなかったのか?


ここに子どものモノゴトを捉える個性が出るのだと思います。
さらに言うと、大人は硬いときたら柔らかいと言ってしまうような概念が固まってしまっているのに対し、子どもはそこが固まっていないという現れと言えるのではないでしょうか。


一万円札というものを4歳児の語彙を鑑みて分類すると、下記のようになるでしょう。

・材質:紙
・デザイン:人(福沢諭吉)の顔、10,000という数字、草、ハンコ、鳥(雉)
・形状:長細い、ヒラヒラ、ペラペラ
・使用するシーン:機嫌がいい時に使うお金、たくさん買物をする時に使うお金

他にも色々な特徴があるでしょうが、娘の場合はこのうち紙に印刷された情報に注意のカーソルが向いていたのだと思われます。

「わける」は「わかる」に通ずると言いますが、こうした分類の方法を通じて人々はモノゴトを認識したり理解してきたのでしょう。



古代から人々はどのようにして有形無形のモノゴトに名前をつけてきたのかはわかりませんが、人はモノゴトの特徴を上記のように機能や要素、属性などに注目して分類しながら、「この植物は◯◯に似ているから、△△と名付けよう」としたこともあったでしょう。

なんというか、人類の名づけの歴史というか、進化の歴史を垣間見た気がしました。


以上、親バカが最前線からお伝えしました。


*同じく「わけることはわかること」シリーズの記事はこちらをご覧下さい。
「わける」ことは「わかる」こと ~幼児から始めるタクソノミー

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