発達障害支援から学ぶ人材マネジメント勉強会レポート


子どもが見せる、primitive(原始的、未熟な)で、本質的な観察力や情報編集力におどろかされ、気づかされ、学ぶことの多い日々を過ごしておりますが、良いことばかりが起きる訳がありません。
(※子どものprimitiveな力についてはこちらの記事をご覧下さい)

ものまねではない「原始的なイノベーション」は子どもに学べばいい
https://www.sbbit.jp/article/cont1/33931



登園するまでの短い時間に、給食セットやタオルをリュックに入れたり、
歯みがき洗顔をしたりしなければならないのに、
その途中で気になる本や転がっているゴミ、ソファの上のチラシが目に入ると、
途端に興味がそっちに行ってしまって、「今やらなきゃいけないこと」をやらなくなる。
髪の毛をむすんでいる間も、じっとしていられない。

こう書けば、なんだ大したことないな。いかにも子どもらしいではないか、と思えますが、
本当に時間が差し迫っている状況や、自分の感情や体調が優れない場合は、
「うちの子は大丈夫だろうか?」と心配になったり、イライラしてしまったりします。

私はアーネやジージョが見せる認知能力の不思議にとりつかれて以降、
認知科学や認知心理学の本を時々読んでおりますが、偶然、「自閉症児のための絵で見る構造化」という本に出会いました。
この本のポイントは、ざっくり申し上げると、
「子どもの特性を矯正するのではなく、特性に合わせて環境をつくる。環境から変えることで
子どもがその特性を持っていても、勉強や活動ができるようにしよう」
という所にあります。

この本を読んだ時、わが家のアーネは自閉症という診断を受けてはいませんが、ここで紹介されている工夫はわが家にはもちろん、大人のチームマネジメントにも活用できるのではないかと感じました。

そんな折、プロジェクト工学勉強会などでお世話になっているドコモベンチャーズさんの支援先に、
発達障害支援活動を行っている団体「のびのびと」さんがいらっしゃることを知り、のびのびとさんとご一緒に、『発達障害支援から学ぶ人材マネジメント勉強会』を企画・開催したのです。

●勉強会詳細ページ(2017年10月3日開催)
http://peatix.com/event/305412

勉強会の流れをかいつまみますと、

・他者の特性を知るために、まず自分の特性を知る必要がある。
 (ここで、自分の特性をするための「頭のよさテスト」を実施)
・特性ごとに、支援の工夫がある。
 音を不快に感じる子どもにはヘッドホン。
 じっとしていられない子どもにはバランスボールの使用を許可するなど。
 他者と一緒にいることや視線が気になる子どもには、机の周りに衝立をたてるなど。
 他にも言語より視覚能力が優位な人には、グラフなどで見せるといったアプローチも。
・そうした情報を参考に、今の仕事の同僚、チームメンバーが個性を活かして働ける工夫をグループごとに考える

といった内容でした。

勉強会の動画レポートを作成しましたので、ぜひご覧下さい。



参加された皆様は勉強会のタイトル通り、社内の人材マネジメントにお悩みの方が多くいらっしゃっており、
「自分の特性を知る機会がなかなかないので、それを知ると、相手と自分は違うのだと理解してコミュニケーションができそう」
といった感想が出ておりました。

講師の森垣さん(のびのびと代表理事)から、自分と似た特性の人ほどイライラしてしまうことがある、ということを教えて頂きましたが、アーネが見せる、途中で興味がホイホイ移ってしまう特性(これを特性と言っていいのかわかりませんが)は、私も同じようなことがあるやも知れず、今度二人で頭の良さテストを受けてみようかと思った次第です。

詳しいプログラム内容は、後日のびのびとさんのブログ等でも紹介されると思いますが、
「これは面白そうだ。ぜひ自社でもやってみたい!」
という方がいらっしゃいましたが、ぜひコンタクトしてみてはいかがでしょうか。

●のびのびとさんのFacebookページ
https://www.facebook.com/hanaikulabonobinobito/


ちなみに、発達障害児支援の工夫や考え方は、子どもだけでなく大人にも通じると感じたのと、センシング技術と組み合わせることで、異なる領域にも応用できるのではないかと思います。

以上、親バカが最前線からお伝えしました。

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