媒体社がネイティブ広告を導入する際の5つの質問

昨日、『AdRoll University for Publishers ~専門家から学ぶアドテク講座~』というセミナーを聴講しました。
聴講した理由を先に申し上げます。
私は「1Roll(ワンロール)」という動画制作アプリのプロマネを行っております。クライアントはEC、生命保険、学習塾、不動産、住宅設備、旅行、百貨店、通信、自治体、料理教室など様々ですが、業界専門メディア、インバウンドメディア、女性向けライフスタイルメディアなどの媒体社にも導入されています。
こうした媒体社では、「コンテンツとしての動画」と「広告商品としての動画」という二つの使い方をして頂いています。今回、この「コンテンツとしての動画」と「広告商品としての動画」をさらに推進していくにあたって、ネイティブ広告に関心があり、Sharethrough 日本市場代表 の高広伯彦さんのお話が聞けるとあって、セミナーに参加しました。

セミナーの詳細資料やレポートなどは別途公開されると思いますので、ここでは、私が今回セミナーで教えて頂いた内容を元に、媒体社クライアントへの説明用に「ネイティブ広告を導入する際の5つの質問」とでも題してまとめておきます。

他にも細かな検討ポイントはありますが、大枠以下のような項目が大事になるかと思います。
(今回、ネイティブ広告について初めて接し、メディアでの仕事経験も浅いため、認識に誤りがある点があると思いますので、その点はご容赦下さい)



●ネイティブ広告を導入する際の5つの質問●

1.自社媒体にはどんな読者がいるかを把握しているか?
  ・その読者にどんな記事がよく見られているか?
  ・どんな広告がよくクリックされているか?
  ・(言い方を換えると)自社の優良な読者を、質の高い読み手として広告主に提供できるか?

2.自社媒体の価値(売り物)は何か?
  ・トラフィックか?
  ・トラフィック+コンテンツ制作機能か?

3.ネイティブ広告を導入した場合の、営業先をどこにするか?
  ・自社媒体に集まる読者を欲しがっている企業はあるか?
  ・営業先の企業はコンテンツを持っているか否か?

4.上記1~3を鑑み、売り先と売り物を整理できているか?
  ・自社の制作体制、営業機能、優先事項などから検討
  ・例:手離れを優先するか?広告主とのコミュニケーションを優先するか?等

5.どう売るか?
  ・純広か?プログラマティックか?アドネットワークか?


上記の質問の中で個人的に考えがいがあるなと感じたのが、

「コンテンツを誰が、どうつくるか?」

という点です。
質問3に「営業先をどこにするか?」というものがありますが、営業効率を考えれば既にコンテンツを多数所有している=コンテンツマーケティングに取り組んでいたり、オウンドメディアを運営していたりする企業にコンタクトし、そのコンテンツを自社媒体に掲載するのが最もラクです。
(この場合、媒体社が提供するのは「コンテンツ制作機能」ではなく、「トラフィック」だけでいい。つまり、手離れがいい)

また、コンテンツ制作体制が厚くない媒体社の場合、効率的にコンテンツをつくれた方が良いでしょう。動画コンテンツを例に取れば、媒体社で動画コンテンツを見かけることが増えたものの、動画コンテンツが記事コンテンツよりも圧倒的にPVを稼ぐ訳でなければ、コンテンツはコストをかけずにつくりたい。(それで優良な読者が集まるかどうかはともかく)

このあたり媒体社は悩みどころですが、高広さんからユニークな事案が紹介されておりました。
Forbesのネイティブアド製品「ブランドボイス(BrandVoice)」は、広告主が自社コンテンツをForbesの記事と同じ体裁で発信できる
プラットフォームです。

ここでは広告主のオウンドメディアの記事も発信できるため、Forbesにとっては非常に手離れがよくできています。広告主がコンテンツをつくれない場合は、Forbesの記者やパートナーがつくる、という構造。

この事例を聞いていて思いついたのですが、こんな方法もあるのではないでしょうか?


自社媒体に集まる読者が好むコンテンツのつくり方を広告主に教えて、広告主にコンテンツをつくってもらう。


とはいえ、記事を書くというのは簡単なことではなく、書ける人が教えられる訳でもないので、この方法は「記事の書き方」を教えるのには向いていません。
しかし、「動画のつくり方」ならそれが可能です。

手軽につくれる動画コンテンツには「ランキング」、「マニュアル」、「インタビュー」、「レポート」などがあり、これらの動画はわざわざ高価なカメラや各種機材を揃える必要はありません。

こうした動画のつくり方を、定期的に講座開催しておりますので、ご興味があればぜひメール下さい。


さてさて、その他に印象的だった内容を図表にしておいたので、見られるものだけ貼っておきます。

●媒体社にとっての「コンテンツ」の意味



●媒体社がどんな広告主に、どんな売り物を提供するか?の図



最後に、Sharethroughのネット上のコンテンツであればあらゆるものをネイティブ広告化することができる「ネイティブ広告ジェネレーター」のデモを見せて頂きましたが、これは相当イイです。
下記の記事に詳細が紹介されているので、ぜひご覧下さい。

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