未経験者でも絶対にできる、「動画の企画・構成」のつくり方

2017年12月21日に、月刊『ブレーン』が主催する、オンライン動画コンテスト「BOVA」の
応募促進講座に登壇してきました。
この講座に登壇するのは二年ぶりだったのですが、当時その講座を聴講して下さった方が、そこで紹介した動画の企画・構成をつくる型(フレームワーク)を使ったところ、なんと協賛企業賞をとっていたことがわかりました。
(そのことを、わざわざ伝えに来てくれてたいへん嬉しかったです)
とても嬉しいので、今日はその動画の企画・構成をつくる型(フレームワーク)を紹介したいと思います。

使用するのはこのシートです。
まず、一番左端の空欄に、撮影したい対象(商品、場所、アプリ、人物など)を置きます。
(テキストでもイラストでも、写真でもかまいません)


対象を見てさわるだけで動画の企画をする、というのは、まず無理です。また、その対象にも訴求すべき情報がいくつもあります。それらをすべて動画化しては、視聴者にとってはどの情報が重要なのかわかりにくくなってしまいます。また限られた尺で表現しようとなれば、当然伝えるべき情報は絞りこまなければなりません。

そこで、この対象が有している情報を、「要素」、「機能」、「属性」の三種類に分けて、細かくバラしていきます。

「要素」は、全体を構成する部分,部品,成分,パーツなど。
「機能」は、使う目的,使い方,手段,効能,ベネフィットなど。
「属性」は、色,大きさ,種別,製作年代,産地,メーカー,想定ユーザーなど。

対象の要素・機能・属性のキーワードを思いつくままどんどん書き込んでいき、もう出ないと思ったら、そのキーワードの表現を言い換えてみます(類義語で検索するといいでしょう)。

そうしてバラしたキーワードから、最も際立たせたい情報を選びます。
ここまでが第一段階。

次に行うのは、その際立たせたい情報を、どのように際立たせるかを選ぶことです。
シートには、「誇張」、「擬人」、「隠匿」、「置換」、「メタファー」、「比較」といった情報を際立たせるためのメソッドがありますが、この他にも「収集」、「実証」、「逆転」、「視覚化」などがあります。

代表的なメソッドをいくつか紹介しましょう。
「誇張」は、例えば、ある対象の機能や効果を大げさに表現するといったことや、一般人をプロのように扱う、些細なことを大事件のように扱う、といった手法です。
サンプル動画は下記をご覧下さい。




次に「擬人化」。日本人が大好きな手法です。
普段目に見えない、耳に聞こえない心情、事象、実体・形のないサービス等を表現するのに有効です。



全てを紹介するのは今回は割愛しますが、こうして際立たせたい情報と、情報を際立たせるメソッドを結びつけていきます。
選択するメソッドは一つだけ、とは限りません。複数のメソッドを組み合わせてもOKです。
ここまでが第二段階。

最後に行うのは、動画を視聴者にどう伝えるかという、物語・構成のメソッドを選ぶことです。
物語・構成のメソッドには、「いってかえる」、「やってみた」、「インタビュー」、「ニュース」、「テレビショッピング」、「ランキング」などがあります。
このフレームワークでは物語の考えやすさから、「いってかえる」を使用しています。

「いってかえる」をざっくり紹介すると、主人公となる人やキャラクターが、「日常マイナス」から「異日常」に放り込まれ、そこで遭遇・獲得する「仲間・師匠」や「道具・能力」などによって、「日常プラス」に帰ってくる、という物語の型です。


いってかえるについての詳しい説明と、実際にどのような物語がつくれるかは、こちらの記事をご覧下さい。
『子どもがよろこぶ「おはなし」の作り方』


対象の際立たせたい情報をバラして選び、その情報の「際立たせ方」を選んだら、
(このフレームワークでは)「いってかえる」の型をつかって物語を考える。

本来は2~3時間かけて行う講座でお話しているため、詳細や事例をかなり端折っておりますが、たったこれだけでのことですが、実際に動画の企画・構成をつくることができます。
だまされたと思って、一度やってみて下さい。


ちなみに、冒頭に紹介した方が、このフレームワークを使って企画・制作した受賞作がこちらになります。


どんな日常マイナスに置かれているか。
それが、対象のどのような要素・機能・属性を、どう際立たせることで、
日常プラスにかえってきているか。
という視点で、ぜひ見てみて下さい。

そうして企画が思いついたなら、ぜひBOVAに応募してみて下さい。
応募はこちらから↓
https://bova.co/5th/about


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