動画担当者コミュニティ勉強会(第2回)レポート

2018年2月19日に、動画担当者コミュニティの第2回勉強会を開催しました。
(本会の開催趣旨、第1回の様子はこちらをご覧下さい)

今回は、椎名林檎さんやケツメイシさんのミュージックビデオを手掛けるスイヒロシ監督をお招きし、歌手やバンドの「らしさ」を、どのようにMVの構成や映像表現に落とし込んでいるのか?ということについて、講演頂きました。

「ウスイヒロシ」の画像検索結果

そして、そのお話を元に、自社の「らしさ」を見つけ、会社紹介や商品紹介動画の企画・制作に活かすヒントを発見することを目指しました。
図にすると下記のような感じです。


この図をご覧頂いた上で、こんなことを考えてみて下さい。

「あなたの会社は、ゆず系?いきものががり系?それともドリカム系?」

これらのアーティストに共通するのは「ポジティブ」なイメージです。

しかし、ポジティブと一口にいっても、優等生的なポジティブもあれば、後ろ向きな中に一歩を踏み出そうとするポジティブもある。存在そのものがポジティブなアーティストもいれば、後ろから見守り応援することでポジティブにしてくれるアーティストもいる。

先の3アーティストでいえば、ゆずは「みんなのアンちゃん」的な存在。いきものががりは「みんなの妹」。ドリカムは「ザ・王道ポジティブ」といった存在だとウスイ監督は言います。この「ユーザーにとってどのような存在であるか?」ということが、「らしさ」なのではないかと思いますが、MVはこれだけで制作するわけではありません。

アーティストから出される「お題」や曲、歌詞などを元に、ストーリー、シチュエーション、小道具、どのカットでアーティストのキメカットを入れるかといっことを考えていきます。


この構図は動画担当者の方であれば、新商品の概要、想定ユーザー、ベネフィットなどを考え、映像の構成や表現を考えるのとほぼ同じでしょう。

ここでウスイ監督のMVづくりの方法論からヒントを得たいことがあります。

商品やソリューションは多くの場合、圧倒的に競合商品と比べてスペックやコスト面などで優れているということはないでしょう。そのため仕方なく、わずかなスペックや機能の差異をCGやキャストを起用して強調しようとします。

しかしその方法は、本質的な他者との差異化とは言えません。

そこで見つけ出したいのが、自社や、その商品の「らしさ」です。

ウスイ監督によれば、先の「ポジティブ」という抽象度の高いキーワードであれば、それを細分化すると言います。

どんなポジティブなのか?
誰が、どのようにポジティブになるのか?

その細分化の作業のあとに、どのような構成・映像表現にしていくかについては、今後開催されるかも知れない「ウスイ塾(仮称)」で、会社のらしさ探しも含め、ワークショップ形式で提供するかも知れません。

その他、MVとは違う「ライブ動画」を作成するにあたり、パッケージとして購入される場合と、YouTubeやVimeoなどに出す場合と、朝の情報番組などで動画の構成や尺が異なってくるというお話などもたいへん興味深く拝聴しました。

参加者のみなさんからも、動画広告で最初の数秒で視聴者のハートをつかむための方法、所属キャストの魅力を伝える動画のメリハリのつけ方など、様々な質問が出ていました。

次回は3月末か4月中旬に開催予定です。

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