Primitive Arts

2012年に長女が生まれ、2才頃から彼女が見せ始めたモノゴトの観察の仕方、情報編集の仕方、表現の仕方といった、認知の力に驚かされ続けています。

それは洗練されているとはいえない、primitive(原始的、未熟的)な力ですが、とても本質的な力強さ、柔軟さ、あやうさを備えています。

これは固定概念ができあがっていないこと、知識が不足していることなどによるものもありますが、その観察眼、情報編集力、表現力は、大人にとっても、プロジェクトマネジメントにとっても、ビジネスにとっても様々なヒントを与えてくれます。

子どもの「原◯◯力」。


そうしたprimitiveな力を大人が再び得ることができるよう、レッジョエミリアでアトリエリスタを務めた伊藤史子さんやアートマネージャーの熊谷薫さんとともに、ワークショップの企画・運営もしています。

ジョブズ、ダーウィン、ニュートンにも共通
ものまねではない「原始的なイノベーション」は子どもに学べばいい

子どもの視点から学ぶ、イノベーションに繋がる観察力、編集力、表現力
~発見とは、みんなと同じものを見て、誰も考えなかったことを考えること。


大人が子どものころ普通に持っていた力は、学校教育や仕事をするようになる過程で、効率化の犠牲となってしぼんでいきます。
このprimitiveな、原〇〇力をどのように育むことができるのかという問いについて、定期的に勉強会を開催しており、その育みに必要であろう、大人の子どもへの付き合い方、態度などを、「Primitive Arts」と呼び、定期的に勉強会を開催しています。

※子どもの「原◯◯力」に関する記事はこちらをご覧下さい。

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また、子どもは大人以上に未知な社会を生きます。
彼らはすべからく、自分の人生というプロジェクトを進めていかねばなりません。
プロジェクトとは未知を既知にぬりかえていく行為であると考えますが、そこには様々な力が求められます。

何がなんだかわからない状況に対して、今あるリソースやわかっていること等を頼りに、観察・仮説・推論・実行・省察していく力。

プロジェクトを進めるにあたって、大局的なプランと局所的なプランを立てられる力。

問題を理解し、自分が解きやすいように問題を変形させたり、表現しなおしたりできる力。

目の前の出来事に好奇心をもって、自ら試してみようとする態度。

一度経験したことを抽象・捨象し、別の何かに活用できるようにしていく力。

他者と協働していける力(そのために必要な言葉や図で伝える力、相手の話をきちんと聞ける力、自分と他者は違うものだという態度)。

一度失敗しても、折れずに「やり方がうまくいかなかっただけ」と、異なる方法でチャレンジしていける力、などなど。

挙げればキリがありませんが、こうした「学校では教えにくい」、プロジェクトを進めていくための力を「プ力」と呼び、それらをを、家庭でどのように育むことができるかということを考え、実践しています。

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