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「プロジェクトの処方箋」ブックフェア企画の裏側

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新著 『ゼロから身につくプロジェクトを成功させる本』 の販売促進施策として、『プロジェクトの処方箋ブックフェア』を企画し、出版社の営業のみなさんを通じて、書店さんに展開頂いています。 書店員さんからは出版社の垣根を越えた企画として興味を持っていただいたり、趣旨に賛同をいただくことができました。この記事では、ブックフェアの企画を考えている方の参考になるかも知れない、企画趣旨や背景を紹介します。

自分の価値観や好みに合わない娘のこだわりに救われた話

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小2のジージョは非常にこだわりが強く、自分がこうと決めたら親が甘く厳しく言っても頑として譲りません。 ある日、家族で観劇に出かけることがありました。このときジージョは自分の全財産が入った小銭がジャラジャラ音を立てる財布を持っていくと言って聞きませんでした。 財布を持っていかなくてもジュースやお菓子は買ってあげると言っても聞かず、必要な分だけのお金を持っていけばと言っても聞きません。 結局好きにしなさいと言ってジージョが財布を持ったかどうかは確かめず車に乗り込みました。 本当にこの子はなんてこだわりが強いのかと、自動車のなかでぼんやり思っていたとき、妻が「しまった!」と大きな声をあげました。 駅近辺の駐車場は200円から300円の小銭をピッタリ入れる必要があり、妻が自分の財布には小銭がないことを思い出したのです。私も小銭を持っていません。

ジージョの「4」と「み」の書き方

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ジージョが字を書き始めたころ、数字の4の書き方を教えてくれました。 ジージョはまず4の直角三角形の部分を書いて、そのあとに右横と下にそれぞれ線を伸ばして4の字を完成させたのです。 これと同じ時期に、ひらがなの「み」を書けるようになりました。 「(数字の)7を書いてから、くるって書くんだよ」 と、ジージョは教えてくれました。 まだ慣れ親しんでいない文字を書くとき、自分が書けるように・書きやすいようにprimitiveな工夫が働いているのか、まだ書き順というものを知らないなか、字の形に注目する・形への重みづけが大きいのかわかりません。ただ、ものごとを知ってしまっている人間にはそれが染み付いてしまってなかなか得られない、ものごとを捉える異なる視点・フレームが、たいへん瑞々しく感じられました。 こうした字の書き方・覚え方の工夫は、アーネにもありました。 「も」が書けるから、「し」も「じ」も書ける  ~子どもが工夫する文字の覚え方 あと、こうした発見はそのプロセスを目にしたり、相手から教えてもらわなければ得られないわけで、できた結果だけでなく、できている過程から得られるものは多いとあらためて実感した次第です。 【関連記事】 4歳のひらがの書き方から学ぶ、作り手と使い手のメンタルモデルの乖離

小1娘の考える「いく」と「かえる」の違い

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 2022年の8月に、私一人で実家の三重に行くことがあったとき、当時小1だったジージョが、 「いくの?かえるの?」 と聞いてきました。 「行く」と「帰る」はどう違うのかたすねると、 「いくは三重に行って戻ってくる」 「かえるはずっと言って帰ってこない」 と教えてくれました。 国語の授業や辞書でひいているわけでもないだろうに、このような意味の違いをわかっているというのは、不思議で興味深いものです。 そうして実家に帰省して日記を開くと、出発前夜にジージョが付箋に書いた手紙が貼ってありました。

プロジェクトの「わからないところがわかる」ようになるための道具

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アーネが様々なことに「なんで?」と言うようになってきた頃、「なんで“なんで?”と問えるのか?」を知りたくて色々な本を読みました。そのときに読んだ本の中に、佐伯胖先生の 『学びの構造』 がありました。 同書は昭和50年に刊行された本ですが、初めて読んだのが2016年。2023年になって読み返していたとき、1回目に読んだときには引っかかっていなかった部分がありました。 以下、引用です。 「わかる」という場合、それは単に意味との対応がつく(「網目の結び目」との対応がつく)だけではなく、その「未知なる部分」(網目の「空白部分」)もわかるわけであり、その意味で「わかる」とは「わからないところがわかる」ことである。 この一文に引っかかったのは、ちょうどこの時期、私が小2のジージョの国語教材『たんぽぽのちえ』で、まさに上述のような体験をしていたからです( 小2の国語教材『たんぽぽのちえ』が、プロジェクトに必要な思考のいいトレーニングになる )。

他者への良かれと思っての気遣いは、自分が思うような結果を招かない可能性がある

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アーネ(小6)とジージョ(小2)が通うECCでは、毎年イースターエッグをつくります。 このとき生卵に小さな穴を空けて、そこから白身と黄身を竹串でほじくり出していくのですが、強くにぎったりほじくると殻が割れてしまうので、丁寧に少しずつ作業を進めていく必要があります。 明日の夕方にイースターエッグつくる日を控えた夜、冷蔵庫には生卵が2個しかなく、失敗することができないと思ったからか、妻が親切に中身を取り出してくれていました。 朝、そのことに気づいた私は妻に感謝する一方、卵の中身をほじくる作業をちょうど春休で日中ひまを持て余しているアーネとジージョのアクティビティにしようと考えていたものですから、すこし困ったのでした。 この話をものすごく拡大解釈して、プロジェクトマネージャーの教訓を引き出すなら、下記のようなことがあります(繰り返しですが、妻のしてくれたことには感謝しています)。 ●他者への良かれと思っての気遣いは、自分が思うような結果を招かない可能性がある。 ●自分さえ頑張ればいいという精神は、同上。 ●何かをする前に、関係者に確認をとろう。

小2のジージョが一輪車を買うときに行った重みづけ

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夏休み、小2のジージョに一輪車をプレゼンしました。 Amazonで購入するにあたり、2つの候補まで絞り込みましたが、ジージョにとって甲乙つけがたくなかなか決めることができません。 そこで、ジージョが自分が欲しい一輪車を決めるにあたって、どこを重視するのかという項目を出させることにしました。 サドルの形、フレームの模様、ペダルの色などの項目を出してから、それらに順位をつけて、順位の高いものから100点満点、80点満点、60点満点と点数を割り振ります。 各項目に割りふった点数を合計して、点数の高いものがジージョが欲しい一輪車ということだよー、そう説明すると、ジージョは嬉々として各項目に点数を割り振っていきました。